(13日、第107回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 大阪学院大10―0門真なみはや)
大阪学院大は長年「2強」とされる大阪桐蔭、履正社に対抗する力をつけつつある。昨春は両校を破り、府大会を制した。
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話題校となって迎えた昨夏の大阪大会は初戦敗退した。それだけに、辻盛英一監督は「(夏の)初戦はめちゃくちゃ嫌」。
今夏初戦、監督の不安をよそに躍動したのが、1年生の林将輝だ。三回の初打席で左翼越えの長打を放ち、一気に三塁へ。チーム初の長打で、その後に先取点となるホームを踏んだ。
硬くなっていた選手たちの動きは変わり、三回以降は毎回得点を重ねた。林は全打席で出塁し、打点もマーク。チームは6回コールドで初戦を突破した。
北海道出身の林にとって、高校野球といえば「大阪桐蔭と履正社」の印象が強いという。ともに全国選手権優勝の経験があり、同地区でしのぎを削る2校は、北海道にいても関心をひかれる存在だった。
そんな林は「2強を倒して甲子園に行きたい」と、大阪学院大に入学した。硬式野球の15歳以下日本代表で世界一を経験し、「プロ野球に行きたい」という夢もかなえるために、環境が合うと感じた同校を選んだ。
この日は一塁手で先発したが、マウンドに上がれば最速146キロの右腕。今春の府大会5回戦では履正社との延長十回に登板し、2失点して敗れた。
「真っすぐや全力で投げるだけでは通用しないと分かった。今ならいけると思う」
口調は落ち着いているが、思いの強さを感じさせる。再び話題をさらうために、欠かせない存在となりそうだ。